19 Dec 2017
スカラーです。
今日は、ブラームスの「ハンガリー舞曲 第5番」についてお話ししたいと思います。
私はピアノの選曲を考えるときに重要視していることがあって、それは「難しそうに聞こえて実はそうでもない曲」を選ぶようにしています。
で、その考えで言うと、このハンガリー舞曲は「めちゃくちゃ難しいのに全然すごそうに聞こえない」んです。(あくまで私の場合はですが・・・)
こんな曲ですね(機械音なので何の面白味もありませんが・・・)。
ソロで上手に弾いている動画はありませんでした。やっぱりインテンポで弾きこなすのは難しいんやと思います。
このハンガリー舞曲、全音のピースでの難易度は「D」。「D」のレベルは中級上なのですが、いやいや上級のレベルやろうって思うんです。
では、実際にどの辺りが難しいのかについてお伝えしていきたいと思います。
左の伴奏が難しい
で、メロディー部分は簡単です。ここはピアノ初心者さんでも弾くことができます
けど、左手を見てください。音の跳躍が半端ないんです。しかも♯(シャープ)が3つなのも弾きにくいん要因。おまけにアレグロなので速くで弾かないといけません。
なのでここをメロディーが弾ける速さで弾いてしまうと、たちまち左がついてこれなくなります(-_-;)。
この左をスムーズにインテンポで弾くだけで、私やったら1カ月以上はかかるでしょうね。
「ファ♯」から「ラド♯ラ~」、そして「ド♯」まで下がらないといけません。音があちこち飛んで弾きにくいのなんのって・・・。
単音で弾くのと1オクターブで弾くのとでは雲泥の差がある
11小節の部分。ここをただ「ソ♯ーラシラー」と弾くだけなら何ら難しくないんですけど、
これを1オクターブ+和音で弾こうとすると、5本の指が独立していないとまず弾けません。
まず「ソ♯レミ♯ソ♯」の4つの音を同時に押すのが難しいですよね
次に1オクターブで「シ」を弾いてから、「ラド♯ファ♯ラ」の4つの音を素早く弾くのが難しいですね
次に17小節目。
ここも「ド♯ーファ♯ ラーファ♯」とやるなら弾けるけど、1オクターブで弾くから急に難しくなる。メロディーを単音で弾くのか1オクターブで弾くかは雲泥の差があります。
単音の場合。
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ここがきれいに弾けたら上級レベル
次に25小節目。
この1オクターブをきれいに弾き切るのは至難の業。もともと1オクターブ弾くことが自体が難しいんです。親指と小指で同時に鍵盤を押すだけでも大変やのに、その形のままで素早く手を動かすことは本当に難しいのです。脱力が出来ていないとまず難しいです。
なので、ある程度の速さで1オクターブを弾くことは、技術的に難しいんです。これは中級ではなくあきらかに上級レベルです。
特に29小節目のここ。私はここをインテンポで弾くことは無理です・・・(^_^;)
曲の構成は中級。技術は上級
ざっと、曲の前半部分だけでも、こんなに難所がたくさんあるんですよ。
ハンガリー舞曲はたしかに繰り返しが多かったり和音進行が単純なので、曲の構成としたら中級やと思います。
けど、
・メロディーを1オクターブで弾く
・しかも(オクターブを)和音で弾く
・しかもスピードを必要とする
など中級以上の難しいパッセージがたくさん出てきます。
そういう意味で、曲の構成としては中級やけど、ピアノを弾く技術としたら上級レベルやと思うのです。
それが、冒頭でお伝えした、「簡単そうやのに(繰り返しが多い&和音進行が単純)、実は弾いたら難しい(素早く1オクターブを弾かないといけない)」ということになるんです。
なので、私やったらこの曲は人前では弾かないでしょう・・・( ̄▽ ̄;)
手の大きい男性向けの曲やなって思います。
もともとは連弾譜として作られた
そもそもこのハンガリー舞曲はもともとは連弾曲。2人で弾く曲として作られたんですよね。
それを1人で弾くんやから、そりゃ難しいよなって思います。
なので、最初の左手の伴奏も、本来なら両手で弾くところなんですよ。
もう一度楽譜を見ましょうか。
連弾譜なら、赤色部分が左。青色を右で弾くようになっているハズです。
曲は重厚感がありながらもリズム感があって口ずさみたくなるようなメロディーですよね! なので、私なら連弾で楽しみたいです🎵
今日も読んで下さってありがとうございました。
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