27 Jun 2019
スカラーです。
今日は、「ピアノ導入教材「バイエル」の種類は? 次の本は? 何年で終わらす?」について、お話ししたいと思います。
「バイエル」はほんとに賛否両論です。「バイエルは上達する」と言う人がいたり「バイエルはもう古い」と言う人がいたり、バイエルに対する感想はさまざまです。なんだかんだ「バイエル」を使っている人は多いと思うので、「バイエル」がどんな教材なのか見ていきたいと思います。
その前に、「バイエル」の簡単な説明から・・・。
目次
そもそも「バイエル」って何??
「バイエル」は、ピアノを初めて習う人が使う教材のことです。(「ピアノの導入教材」と言われています)
で、ドイツの作曲家のバイエルさんが作ったピアノの本なのです! なので、「バイエル」は、人の名前なんです。
どんな種類があるの? どれがほんとの「バイエル」?
どれもほんとの「バイエル」ですけど、私が思う、王道のバイエルはこちらです。
「子供のバイエル」です。上下巻あります。
こちらが上巻。通称「赤バイエル」と呼ばれるものです。初めてピアノを習う子どもが弾きます(アマゾンのHPからお借りしました)
下巻はこれ。「黄バイエル」って言われています。(両手で弾くことに慣れてきたぐらいから始めます)
これが大人用(標準レベルのバイエルです)。※文字も楽譜も小さくなっているので、上下巻が1冊にまとめられています。
「バイエル」の次の本は?
「ブルグミュラー」という本です。この本です。
ちなみに、ピアノを習っている人が通る一般的なコースは、「赤バイエル」→「黄バイエル」→「ブルグミュラー」というコースです。
バイエルには「赤バイエル」(上巻)と「黄バイエル」(下巻)と2冊に分かれています。
「バイエル」が終わると「ブルグミュラー」という本に入るのです。みんなこの、「ブルグミュラー」までに辞めてしまうのです。理由は、地道な練習が嫌になっていくんです。
例えば、「片手は弾けたけど、両手になるとすらすら弾けない」、「へ音記号がすらすら読めない」とか。なので「ブルグミュラー」まで続けられるかどうかが、ピアノの最大の関門なのです。「バイエル」の存在は、今後、ピアノが続くか、続かへんかのせとぎわになるので、とっても重要な立ち位置なんです。
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「バイエル」の難易度は?
赤バイエル・・・片手から。ピアノを初めて弾く人向け
※前半はむちゃくちゃ簡単です。後半からやっと両手で弾きます。
黄色バイエル・・・最初から両手で始まる。両手で弾くことが慣れてきた人向け
※後半の方は、結構練習をしないといけません。
だいたい何年ぐらいで終わらせる!?
ネットとかで見ていると、バイエルを1年とか半年で仕上げたって話を聞くけど、あれは猛烈に毎日練習している人です! 普通は年単位でかかると思います!
黄バイエルは、2年以上はかかります。
例を挙げてみますね。
黄バイエルって、44番~106番まであります。つまり、63曲収録されてることになります。
週1でレッスンに通っていることにします。週に1回なので、1年間で48回(単純に4回×12カ月の計算)。
毎回のレッスンで1曲だけ弾くとします。で、1曲がクリアしたとしても1年間で仕上げられるのは48曲しかないんです。
黄バイエルは63曲入っています。ということは、残りの15曲(63曲-48曲の計算)はまだ残っていることになります。
しかも、毎回のレッスンのたびに合格できるなんて、テキストの後半になってくると難しくなるのでありえません。毎日弾き込まないと一発合格はできないんです。
(赤バイエルなら、1曲が短いし、比較的簡単なので1回のレッスンで2、3曲弾くことは可能なので、1年未満で終わる可能性は十分にあります。それでも43曲収録されています)
※ちなみに私は黄バイエルは2年3カ月で合格でした(赤バイエルは弾いていません)
※こんなことを言うと、もともこもないのですが、そのテキストが何年で終わったかは、結果論であって、そんなに重要なことではないように思うんです。そのテキストが何年で終わったのかは、終わった時にわかることなんです。なので、目安だけ知っておくだけで、あまり気にされなくて良いかなと思います。
「バイエル」は何番まである?
赤バイエル・・・1~43番
ちなみに上巻最後の43番の楽譜はこちら。
一番最後の106番の楽譜
昔、かなり苦戦して合格させてもらった覚えがあります。達成感はハンパないです!
(新米講師必見!)「赤バイエル」の欠点とは?
ここからは、新米講師さん向けにお話ししたいと思います。
この間、楽譜売り場の方が「バイエルは、最近はあまり使われないんですよ・・・」とおっしゃっていました。バイエルで育った私としては少しショックでしたが・・・。
なにが人気ないんやろうと思っていたのですが、おそらく、「赤バイエル」(上巻)に欠点があるんやと思います。
ズバリ、教え初めの「音の高さ」に問題があるのです。
赤バイエルは、高い「ド」の音から覚えるからです。
「赤バイエル」の本を見てみましょう。1番~43番まであります(ちなみに44番からは黄バイエルです)
①最初は右だけ。しかも真ん中の「ド」じゃなくて、高い「ド」から
しかも高い「ド」から始まってます。まずは真ん中の「ド」から覚えるのが基本やのに、なぜか高い「ド」を覚えなあかんというややこしさ・・・^^;
私なら真ん中の「ド」から教えます
あと、ト音記号だけが載ってるんじゃなくて、ト音記号とへ音記号が一緒に載ってる楽譜を使います。これを「大譜表」(だいふひょう)って言います。最初から大譜表に慣れた方がいいと思うんです。
②右が終わったら左です。しかも真ん中の「ソ」から始まってます。
続いて、左手だけの練習が始まります。
しかも、左手で弾くのに、なぜか真ん中の「ソ」から始まります。しかも、ト音記号の位置で弾きます
私なら左手も真ん中の「ド」から教えます
「へ音記号は左手で弾こうね」と教えます。
あと、「ト音記号の「ド」と、ヘ音記号の「ド」の位置は同じだよ」と伝えます。
③本の後半からやっと両手・・・。しかも左右どちらもト音記号から・・・
右手は、高い「ド」から。左手は、真ん中の「ド」から始めます。
大人やったらここから進んだらいいけど、子どもやったら混乱すると思うんです・・・。
私なら、右手も左手も真ん中の「ド」から始めます。
両手は使うけど、真ん中の「ド」の場所から教えます。そこから、右手「ドレミファソ」を教えて、左手「ドシラソファ」を教えて行くんです。この教え方がシンプルかなぁと思っています。
じゃあ、初めはどんな本を使ったらいいの?
では、「赤バイエル」に代わる本は、どんなものなのでしょうか。
私は、「ともだちピアノ」、「ピアノランド」、「オルガンピアノ」を使っています。
下記のリンクに詳しく書いています^^
※「初めてピアノを弾く子どもにおすすめの楽譜」の記事に戻る
教材選びの参考になったらうれしいです^^
読んで下さりありがとうございました^^
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